※本稿は、小宮山利恵子『好奇心でゼロからイチを生み出す 「なぜ? どうして?」の伸ばし方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。
日常生活の「?」が気づく力を育む
ゼロイチの土台になるのは、次の5つの力です。
気づく力 身の周りのことに関心を持ち、新しい視点で見る力
対話する力 人と話してアイデアや意見を出し合う共創の力
探究する力 好奇心を持って知識を深めていく力
行動する力 考えたことを実践して成果を出す力
失敗する力 挫折やミスを成長の糧に変える力
本稿では、そのうち「気づく力」について紹介します。
気づく力とは、日常生活の中で「なぜ?」「どうして?」と問いを立て、それまで気がつかなかった物事を新しい視点でとらえる力です。
問いの重要性について『「問う力」を育てる理論と実践』(小山義徳、道田泰司編/ひつじ書房)では次の意義が述べられています。
このような問う力を伸ばすために意識したい6つのポイントをお伝えします。
分からないことを聞くのは子どもの特権
①「なぜ?」と問う
「あのときの疑問がようやくわかった!」と思うこと、大人でもありますよね。生まれてまだ10年前後しか経っていない子どもたちは、知らないことやわからないことだらけ。成長とともに知識や経験が増えるほど「わかった!」も増えていきます。
大人になると「こんなこと今さら聞けない」と思ってしまうような些細なことでも、「なぜ?」「どうして?」と気になったことを素直に周りに聞けるのも、子どもに与えられた特権です。
仕事で鎌倉に行ったときのこと。仕事の合間にふらっと入った無印良品で、近くにいた親子の会話が聞こえてきました。小学1年生くらいの女の子が、「なんでティッシュペーパーが茶色なの? 家で使っているのは白いよね?」と質問したのですが、そのお母さんは「なんでだろうね」と言っただけで終わってしまいました。