腫れ物扱いをしてはもったいない
これから社会に出てくる「マスク世代」の新入社員に対して、多くの企業が不安や心配を抱えているのは事実です。ジェネレーションギャップは年々激しくなっており、ビジネスの基礎を身につけていない新人をどのように育てるか、手探り状態で悩む声もよく聞かれます。
しかし一方で、リモート環境やデジタルツールへの適応力が高く、既成概念にとらわれない柔軟な発想を持つのもこの世代の大きな特長です。どんな時代にも共通することですが、新入社員はまさに可能性の塊と言える存在です。そのポテンシャルを十分に引き出せるかどうかは、受け入れる企業側のスタンスや育成のあり方にかかっているのです。
大切なのは、感謝の気持ちや苦労を厭わない姿勢、仕事に没頭して得られるやりがいや達成感を、若いうちにしっかりと体験させることです。新入社員に対して、腫れ物に触るように扱うのではなく、時には厳しく指摘しながらも、前向きに支える仕組みを整える。
叱られたり失敗したりする中で、若手は「努力を積み重ねることの意義」を学び、自分で考え行動する力を育んでいきます。
「新入社員を育てる」=「企業を育てる」
どんな世代であっても、新入社員の育成次第で、組織の未来が左右されるということは間違いありません。
経営者や管理職に求められるのは、このマスク世代が自分の可能性を最大限に伸ばせるような環境を用意し、背中を押してあげることに尽きると言えるのではないでしょうか。「働くことの価値」をしっかり伝え、苦労の先にある喜びや挑戦の大切さを実感させることが、若い世代のこれからの人生を左右します。
未来を担う人材が心身ともに成長し、力を発揮していく過程で、企業自体もまた大きく飛躍していくのです。新入社員を育てることは、すなわち企業の未来を育てること。その姿勢と意識を持って、新しい時代に向き合っていく企業こそが成長していくと私は確信しています。