※本稿は、谷本真由美『世界のニュースを日本人は何も知らないBEST版』(ワニブックスPLUS新書)の一部を再編集したものです。
実は「日本びいき」な意外な国
「親日国」と聞いて思い浮かべるのは、台湾? それともトルコ?
でも実は、それ以外にも「えっ、そこまで日本のことを好きでいてくれるの?」と思わず驚いてしまうような国が、世界にはけっこうあるのです。
たとえば南米。ボリビアやパラグアイなど、日本人にとっては「どこだっけ?」となりがちな国々。でも、現地では日本への親近感がとても強く、ちょっとした「日本びいき」の空気が漂っています。
その背景には、かつて多くの日本人が移民として海を渡った歴史があります。ジャングルを開墾し、畑を耕し、社会に根を下ろした日系移民たちは、汗を流してインフラの基盤を築きました。次の世代は高等教育を受け、弁護士や司会者といった専門職で活躍。ビジネスで成功した人も多く、地元での信頼と尊敬は厚いのです。
悪路で頼りにされる日本車と日本人
しかし、日本に住む私たちからすると、ボリビアもパラグアイもどこか遠い存在。
標高が高いとか、ジャングルがあるとか、そのくらいしかイメージがないかもしれません。
ボリビアには高原もあれば山岳地帯もあり、道路が整っていない地域も多い。バスや電車よりも、車が命綱。そんな環境で活躍しているのが、実は日本車なのです。
「どんな悪路でも壊れない」「メンテがしやすい」「サポートがちゃんとしてる」――日本車の魅力は、命を乗せて走る現場でこそ真価を発揮します。
実際に、私の身内が日本の某自動車メーカーで働いているのですが、海外から寄せられた不具合報告を地道に分析し、必要なら現地に修理の手配まで行うそうです。そんな誠実な対応が、世界の信頼をガッチリつかんでいるのです。
他国のメーカーだと、報告がうやむやになったり、現地スタッフとの連携がずさんでトラブルになることも珍しくありません。その点、日本の「丁寧さ」は、製品そのものに染み込んでいます。だからこそ、車が足として使えなければ命に関わるような地域では、真面目で壊れにくい日本車が圧倒的に選ばれるのです。