投資をする際の注意点は何か。経済ジャーナリストの荻原博子さんは「ここ10年間で株価が上昇に転じただけで、これから10年間は下がり続けるかもしれない。簡単に予想できる1週間よりも、予想できない10年のほうが投資のリスクは少ないというのは根拠がない」という――。
※本稿は、荻原博子『65歳からは、お金の心配をやめなさい』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。
「長期投資は確実に儲かる」に根拠なし
短期の投資は危ないけれど、「長期投資」なら損をするリスクが低くなるのではないかと思っている人がかなりいます。
それは、「投資のプロ」がそう言っているからです。
投資アドバイザーを名乗っている人たちは、口を揃えて、「長期投資、分散投資、積立投資こそ、投資の王道だ」と主張します。
それを聞いた多くの方が長期投資、分散投資、積立投資なら、素人が投資してもリスクは低いと思い込んでしまうのです。
でも、それはほんとうでしょうか?
それでは、まず、長期投資の常識を疑うところから始めましょう。
突然ですが、簡単なクイズを出します。
皆さんが投資をするとしたら、どちらのアドバイスに従いますか?
・「目先の値上がりが見込めそうなので、短期投資でいきましょう」
・「将来に備えた投資ですから、長期でじっくり投資していきましょう」
ほとんどの人が、後者を選ぶのではないでしょうか。
なぜなら、短期投資だと価格が下がるだけというリスクもあるので怖いけれど、長期投資なら価格が上下しても、右肩上がりならリスクも低くなると思い込まされているからです。
はたして、長期投資なら、ほんとうにリスクは低いのでしょうか。