スマートフォンはいつ買い替えるべきなのか。ITジャーナリストの西田宗千佳さんは「基準はふたつ。画面割れやバッテリーの劣化といった物理的な損傷、そしてもうひとつ、IT機器ならではの基準がある」という――。(第1回)
※本稿は、西田宗千佳『スマホはどこへ向かうのか?』(星海社新書)の一部を再編集したものです。
スマホの寿命は何を基準にすればいいのか
スマートフォンも機械である以上、寿命は存在する。ただ、その考え方は他の機器とは異なる。
なんらかの理由で壊れた・電源が入らなくなった時はわかりやすいだろう。これは修理するしかないし、発売から時間が経っているとか、すぐにスマホを使いたいなら買い替えた方が良い。
画面が割れたくらいなら、今は修理も簡単になっている。「画面が割れる」という言い方をするが、正確には、ディスプレイを守る「カバーガラス」が割れる場合がほとんど。そのまま使える場合もあるが、怪我の可能性も増えるので、できるだけ修理して使った方が良い。
次に、買い替えなどの指針として使われることが多いのが「バッテリーの劣化」だ。スマホを使い続けるとバッテリーが劣化し、フル充電にしても動作する時間が短くなる。
バッテリーは充放電を繰り返すことで劣化する。特に現在使われているリチウムイオン充電池は、「満充電に近い状態で充電を続ける」「充電がカラになった状態で長く放置する」と劣化が進行しやすい。
自宅などで「ケーブルをつなぎ、満充電を維持したままスマホを使い続ける」人は多いが、発熱の影響もあって劣化を招きやすい。本来は避けるべき使い方だ。