「炭水化物」「たんぱく質」「ビタミン」をとる

まず、最初にとるべきは「炭水化物」です。近年、炭水化物をとらないダイエットも流行しているようですが、脳を目覚めさせるには、炭水化物は欠かせません。そして、できれば血糖値に与える影響がゆるやかな「でんぷん」がおすすめであり、その代表格が「白米」や「玄米」になります。

2番目は、「たんぱく質」です。とくに高齢者は筋肉低下による「フレイル」を予防するのに欠かせない栄養素になります。フレイルは、日本老年医学会が提唱した概念であり、加齢による心身の機能が低下していく状態を指しています。フレイルが進行することで、要介護状態へと移行してしまうため、健康寿命を維持するには、しっかりとたんぱく質をとらなければならないのです。たんぱく質は、卵や牛乳、大豆、肉・魚等に多く含まれています。

3番目は「ビタミン」です。ビタミンの中でも、私が長年提唱しているのは、水溶性のビタミンの一種である「葉酸」の積極的な摂取です。葉酸は必要以上にとっても吸収されずに排出されてしまうため、朝・昼・晩、過不足なくとらなければなりません。

朝食には「ホウレンソウ」がおすすめ

炭水化物は「白米」、たんぱく質は「卵や牛乳、豆、肉」ということで、イメージしやすいと思いますが、問題は「葉酸」です。

結論からいえば、朝食で「葉酸」を摂取するのにおすすめなのは、「ホウレンソウ」です。アメリカの漫画・アニメの主人公のポパイがホウレンソウを食べて力を発揮するというシーンがあるのですが、ホウレンソウには、葉酸以外にも、カリウム、鉄、ビタミンA、ビタミンK、食物繊維が含まれており、栄養満点です。実は、この記事の取材を受けた日の朝も私は「ホウレンソウのおひたし」を食べました。ホウレンソウは朝食でよく食べるのですが、まさに私自身の元気の秘訣であると言ってもいいでしょう。

朝食にはホウレンソウがおすすめ
撮影=池口祥司
朝食にはホウレンソウがおすすめ

しかし、ホウレンソウだったらどんな食べ方でもいいわけではありません。ゆでたホウレンソウ100gには、約100μgの葉酸が含まれています。ただ、残念ながらゆでるなどの加熱調理によって失われる栄養素もあるため、効率よくとるには電子レンジ調理がおすすめです。

調理方法はいたって簡単です。

1:ホウレンソウを洗って、手頃なサイズにカットしましょう
2:器に入れて、ラップをかけて、電子レンジでチンしましょう
3:水にさらして「あく」を抜き、ゴマ、かつおぶし等をトッピングしましょう