健康的に痩せるためには、何を食べればいいのか。内科医の奥田昌子さんは「健康によいものがダイエットにもよいとは限らない。アーモンドやナッツ、牛乳は意外とカロリーが高いので気を付けたほうがいい」という――(第2回/全3回)

※本稿は、奥田昌子『これをやめれば痩せられる』(東洋経済新報社)の一部を再編集したものです。

ナッツはおにぎり1個と同じカロリー

頑張ってダイエットをしている人から、「おやつはナッツがいいんですよね?」と聞かれることがよくあります。これは、お答えが難しいですね。なぜナッツ? 「糖質が少ないし、体にいい成分がいろいろ入ってるって、書いてありました」。

アーモンド
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アーモンドやクルミに多いn-3系脂肪酸には、中性脂肪を減らす働きがあるため、動脈硬化を防いで心臓病の発症率を下げる可能性があります。こういう話を聞いて、ナッツの袋を仕事机に常備して、ポリポリ食べている人もいるようです。

ダイエットにしぼって考えても、硬くて歯ごたえのあるナッツはしっかり噛まないと飲み込めないため、満腹中枢が働きやすいといえます。ただし、食べれば食べるほど痩せるわけではありません。食べすぎたら当然太ります。ナッツは脂質が多く、カロリーが高いからです。

雑誌やインターネットが推奨している、「手のひらに軽く1杯のナッツ」は約25グラムですから、計算すると、これだけの量で、マカダミアナッツは188キロカロリー、クルミは178キロカロリーあります。大きめのおにぎり1個くらいです。「ナッツは食欲を抑えてくれる」という記事をみかけることがありますが、正確にいうなら、「カロリーが高くてお腹がふくれるから、食欲が落ち着く」というところでしょう。